映画「トイ・ストーリー3」【感想】シリーズを締めくくる(はずだった)最高傑作![若干ネタバレあり]

洋画

緊急事態宣言が主要都市圏で今月一杯まで延長されました。

もうしばらく自粛が続きそうで気分も滅入ってくると思いますが、ここで緩むと元も子もありません。

もう暫く外に出るのは我慢して、家で映画でも見ながら、なんとか乗り切りましょう。

っと言うわけで、家族みんなで楽しめて、なおかつクオリティも高くって、見て絶対損のない映画をご紹介します。

ピクサーが放つ超人気シリーズの第3段、「トイ・ストーリー3」です。

ジャンルの枠を超え、私の好きな映画の中でも、かなりの上位に位置する作品です。

極力ネタバレはしないつもりですが、どうしても、感想を書こうと思うと若干のネタバレにならざるを得ませんので、未見の方はご注意ください。

ではでは・・・

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はじめに主な映画概要

  • 原題:Toy Story 3
  • 公開:アメリカ/2010年6月、日本/2010年7月

主なスタッフ

  • 監督:リー・アンクリッチ
  • 原案:ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン、リー・アンクリッチ
  • 脚本:マイケル・アーント
  • 音楽:ランディ・ニューマン
  • 製作:ダーラ・K・アンダーソン
  • 製作総指揮:ジョン・ラセター

主なキャストは、こんな感じ

  • ウッディ(トムハンクス、唐沢寿明)
  • バズ・ライトイヤー(ティム・アレン、所ジョージ)
  • ジェシー(ジョーン・キューザック、日下由美)
  • ロッツォ・ハグベア(ネッド・ビーティ、勝部演之)

軽くあらすじ(若干ネタバレ)

17歳となったアンディは、大学進学のため、引っ越し準備の真っ最中。

長年の相棒:カーボーイ人形のウッディだけは寮に連れて行くつもりでしたが、他のオモチャ達は、屋根裏部屋に保管することに。

しかし、てっきり「捨てられる」と勘違いしたウッディ以外のオモチャ達は、「屋根裏部屋行き」の段ボール箱から「保育園への寄付」って書いてある箱に乗り換えることに成功。

その甲斐あって、なんとか保育園に配送されたオモチャ達。
別行動だったウッディも、色々あって、この保育園に運び込まれてきたのでした。

この保育園で待っていたのが、悪役のロッツォ

ウッディ達は、ロッツォを頂点とする階級組織の下で、「最年少クラスの園児を相手にする」と言う地獄ミッションを科せられることになります。

このままここで暮らしていてもボロボロになって処分される運命であることを悟り、また、アンディが実は自分たちを捨てるつもりではなかったことを知ったオモチャ達は、ウッディとともに再びアンディの家に戻ろうと保育園からの脱走を試みるのでした・・・。

ここから感想

成長とは純粋さとの決別

「大人になるってホント切ないなあ」って、つくづく感じさせられる映画です。

オモチャ達の持ち主:アンディは、この映画では17歳に成長しています。

立派な若者となったアンディですが、シリーズ1から見守ってきた私としては、よくぞここまで素直でイイ子に育ってくれたと、喜びもひとしおです。

大学の寮に移るため、慣れ親しんだ部屋を片付けていたアンディですが、子どもの頃から一緒に遊んできたオモチャ達を捨てることはしません。

大学の寮に連れて行くのはウッディだけで、さすがに、ほかの全員を連れて行くわけにはいかないのですが、それでも捨てようとはせず、屋根裏部屋に保管しておこうと袋に詰めるアンディ。
ホント、心優しい男なのです。(ゴミ袋ってのがチョット・・・ですが)

とは言え、大学生にもなって、ここまでオモチャに優しいアンディって、ちょっと心配になっちゃいますが、まあ、子ども向け映画ですから、「メッチャ優しいお兄さん」という設定にしたかったのだと割り切りましょう。

それにしても、幼い頃にあれほど大切にしていたオモチャ達も、持ち主の成長とともに処分されてしまう。或いは、捨てられないにしても屋根裏部屋へと追いやられてしまう・・・そう思うと何だか切ない。

いや、切ないけれど、それは致し方ないことで、子どもの成長にとって必要な節目なのです。

子どもは、純粋だった頃の思い出と一つ一つ決別しながら大人へと成長していく。

それが、このシリーズに一貫して流れているテーマの様な気がします。

敢えてCG技術の進歩を隠すところがニクイ

今更ですが、ピクサーの名を一躍世界にとどろかせたのは、1995年公開のトイ・ストーリーの第1作目です。

思えば、第1作目の頃は、CGの技術が今ほど発達してなくて、ちょっとした表現にも膨大な時間と労力を必要としていた時代でした。

表現のし易さと予算面を考えて、オモチャを主役とする案が出たのは、当時の技術から考えても必然だったのでしょう。

今回のシリーズ第3段は、第1作目から数えて11年が経過しているわけで、CGの技術は格段に進歩しています。

当然、オモチャの表現だって、人や動物の表現だって、当時とは比べ物にならないクオリティで描けるはずです。

にも拘わらず、この映画のスゴイところは、第1作目と比べて違和感を感じさせないように、作画のクオリティをわざと第1作目に合わせて(落として)いるってところです。

ピクサーの映画に対する拘りと、観客に対する心配りは、とことん半端ないのです。

異常なまでに緻密で丁寧な映画づくり

この映画は、脱出映画としても、非常によく出来ています。

保育園からの脱出劇は、キャラクターそれぞれの特技を生かしたアイデアが満載で、見ごたえタップリです。

ゴミ焼却場でのクライマックスも、80年代のハリウッド映画を思わせる派手なアクションのつるべ撃ちで、もう目が離せません。

とにかく、丁寧に計算し尽くされた、スキのないアクションシーンが展開されていきます。

しかし、これほどまで緻密な作業を見せられますと、なんでここまでの高クオリティを保てるのか、どうすればこれほど映画に情熱が注げるのか、言い方悪いですが「あんたら異常なんじゃないの?」・・・と、ピクサーの制作陣に問いかけてみたくなってしまうほどです。

っで、思うのが、日本勢頑張れ!ってことです。

日本映画でも、最近やたらとCGで撮りたがっている監督さんがいらっしゃいます。
確かにCGのレベルは上がってきているとは思いますが、まだまだピクサーの足元にも及ばないと感じています。(特に映画に対する愛情の部分で疑問を感じる)

ただ挑戦することは大事ですし、作っていかなければ進歩もありません。
今後も、日本のCGアニメ制作陣には、ピクサーを目標に、もちろん真似るのではなく、映画に対する愛情を持って頑張っていただきたいと切に願うばかりです。

結構深い悪役の位置づけ

この映画の悪役を担っているのが、クマのぬいぐるみのロッツォです。

ロッツォが、なぜ悪の道へと落ちていったのかについては、一応、映画の中で理由が説明されてはいます。
しかし、単にそれはロッツォの勝手な思い込みであって、道を外れる理由にはなっていません。

結局ロッツォは、周囲を巻き込むだけ巻き込んだあげくに自分だけ助かろうとする、甘ったれたゲス野郎として描かれていて、敗北の後には苦い天罰が用意されています。

とは言え、天罰とは言っても、ロッツォが逃げ延びた先の新たなご主人様は、少なからずロッツォを気に入ってくれていることは確かです。
愛を求めていたロッツォとしては、「救い」と言えるかもしれません。

ただ、ご主人様の人形に対する愛し方が、かなりブッ飛んでるのが辛いところではありますが。(どんな愛し方かは見てのお楽しみってことで)

そんなわけでこの映画は、ロッツォの結末を見る限りでは、お子様にも実に分かり易い「勧善懲悪モノ」のルックで描かれている・・・ように見えます。

しかし、よく目を凝らして見てみると、ロッツオが制圧していた階級制度が我々の生きる格差社会を暗示していたり、自分の道は人任せではなく自分で見つけていくしかないことを伝えていたり・・・と、大人の深読みにも十分に耐え得る作品となっているところが、ピクサー脚本陣のスゴサなのです。

キャラクターの面白さが光る

そして、この映画の面白さの要素として忘れてはいけないのが、魅力的なキャラクター達の存在です。

特に悪党ロッツォの取り巻き連中の面白さは半端なく、その中でも、ビッグ・ベビーシンバルモンキーが印象的・・・って言うか、こいつら「死霊博物館」に飾ってあってもおかしくないくらいビジュアルが恐くって、忘れられないキャラとなっています。

それから、何と言っても、取り巻きでイチオシなのが、バービー人形のケン君です。

黒く日焼けした顔から真っ白な歯をのぞかせたニヤケ顔がメッチャ不気味で、カクカク歩く仕草もイイ味出してます。

はじめは、「こいつ絶対しょうもない捨てキャラに違いない」と思ってたんですが、これがラストでは、なかなかのハンサム野郎になっていたのにはビックリでした。

正義側では、断然、バス・ライトイヤーが光ってました。

工場出荷状態になったバズを元に戻そうと操作した結果、スペイン語モードに切り替わっちゃって、結果、性格と動きまでもがラテン系になっちゃうってネタは秀逸です。

とにかく、端役のオモチャに至るまで、全てのキャラクターの性格が丁寧に作り込まれていて、ピクサーのまじめな制作姿勢には、つくづく感心してしまうのです。

まとめ

そして、全ての騒動が解決した後に訪れる、アンディとウッディの別れのシーンが胸に焼き付いて離れません。

アンディが、幼少からずっと大切にしていた思い出のオモチャ達を、少女に引き渡す珠玉のラストは涙なくしては見られないでしょう。

この映画は、シリーズの最後をこれ以上ないってくらいの最高の形で締めくくってくれます。(とりあえずこの時までは)

泣いて笑って感動して、家族みんなで楽しめる断然お薦めの一本です。

脚本、演出、CG・・・全てのパーツが、同じ意識と拘りを持ってタッグを組み、気の遠くなるような作業と議論を重ねていった高レベルの仕上がりとなっているのです。

未見の方は是非一度ご覧になってみてください。

できればシリーズ1から順番に見た方が、キャラクターに感情移入できるので、より楽しめると思います。

このあとシリーズ4が作られる話を聞いたときには正直驚きましたが、この4が、これまた傑作だったりするんだから、「ピクサー、どこまでも恐るべし!」なのです。

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